個別指導の塾講師として①
僕はとある個別塾でアルバイトをしている。
主に生徒2人に対して先生1人が授業をするという内容だ。
僕が教えたことをすんなりと理解してくれる生徒もいれば、なかなか理解してくれない生徒もいる。
ある程度教える生徒は限定されてくるのだが、先生と生徒の距離が近いという個別指導のメリットを生かせる生徒は、授業中に活発に質問してくるので吸収率が高い。
そういう子は必ず宿題をやってくるし、毎回授業はじめに行う小テストも高得点を取る。
そういう子が間違えるとつい先生である自分も、どうにかして理解してもらいたいという思いが強くなり、詳しく解説するようになる。
負の連鎖ならぬ正の連鎖である。
ただ、実際そのような子は数少ない。
個別指導というのは集団塾に比べて割高である。
なぜなら生徒1人に対して最大2人、先生にも時給1200円程発生するわけだから、80分の授業ならば約1700円。
それに企業の利益も出さなければならないわけだから、授業料が高いのも当然である。
しかしながら個別指導は、主に勉強が苦手、1人ではできないという子がやってくるのである。
家で集中できない、親が勉強を教えても聞いてくれない、だから親は子どもを個別指導塾でなら、、という期待を想い通わせるわけである。
しかし、そのような子は結局塾でも勉強できないのである。
80分の授業を常に集中力を保ち続けことはできるか?それは普通の子でも厳しいだろう。
勉強が苦手な子ならなおさらだ。
僕が教えたことのある生徒の中でこんな子がいた。以下この子をA君とする。
“ゲームの話をしながらでなきゃ授業を進められない”
正直本当に驚いた。
前回の授業を担当した先生は次回の先生に向けて、コメントをするのだが、"A君は好きなゲームであるマインクラフトやアニメ、SAOの話を絡ませながら授業をしてあげてください"と書かれていた。
たしかにマインクラフトは創造力を育むことができる。実際僕も中高生のころハマった時期があった。
僕はSAOを見たことはないのだが、アニメからも主人公の成長ぶりを通して学べることは非常に多いと思う。
しかし、それと授業は別だ。楽しみながら授業を進めるのは大事だが、ゲームの話を絡ませながら授業をしてしまえば、その子にとって勉強をする時間である授業がゲームの話をする時間と変貌してしまうのである。
というか、授業までゲームの話をするくらい頭の中がゲームでいっぱいなのは非常に心配だし、きっと家ではゲームしかしてないのだろう…
続きは次回以降